明治学院大学の岡本多喜子教授は、米国オレゴン州のポートランド市で実施されていた「救急医療情報キット」システムを参考に、港区と東京消防庁に本システムを提案、平成20年5月より港区役所で実施された。個人の病歴、緊急連絡先等の情報をA4の記載用紙に記入しキットに保管する。 キットの保管場所を冷蔵庫と定め、冷蔵庫ドアには、保管を示すマグネットシール、玄関内側ドアへのシール表示を全国統一システムと定めた。 「救急医療情報キット」の事なら以下の検索をご使用下さい。
一人暮らしや家族のいないときに急病で倒れてしまった場合、救急車を呼ぶことまではできたとしても、その人がどんな病気暦、持病、血液型又、どんな薬を飲んでいるか、緊急通報先等々の情報を救急隊員に確実に発することができたらいいですよね。この役割を果たす為に具現化されたのが、「救急医療情報キット」です。弊社では、各町内会、自治体、消防署等が進めています「救急医療情報キット」の普及をお手伝いするため、何処よりも安く下記写真に示します「救急医療情報キット」を販売提供いたします。無論地域の固有デザイン、ネームの入ったシールをセットした形式で承っています。
背景
・進む高齢化社会
・通報から救急車の現場到着までの時間は全国平均で7・0分、到着から患者を搬送し医療機関に収容するまでの時間は26・4分で、いずれもワースト記録を更新。(平成20年版の消防白書)
・高齢化などに伴って救急需要も拡大。19年の救急出動件数は約529万件に上り、過去10年間で約52%増加した。これに対し、全国の救急隊の増加は8%にとどまっている。救急搬送に占める高齢者の割合は、18年に46・1%に達した。
といったことがあげられます。
(8月5日産経新聞より引用)
昔は近所づきあいがあり、どこにお年寄りが一人暮らしで住んでいるかなど地域の人が皆知っていましたが、今は近所づきあいも薄れ、又個人情報保護の立場から行政でも個人情報をなかなか集められないという問題があります。
冷蔵庫に「救急医療情報キット」をどの家庭でも設置。救急隊員は冷蔵庫を必ず確認する、という風にすればそういう問題のいくらかは解決すると思われます。冷蔵庫はどの家庭にも台所にあるでしょうから探す手間も省けますし、冷蔵庫の中なら他人に見られても許せますよね。
又、その「救急医療情報キット」の中に、緊急通報先の電話番号などを入れておけば、家族・友人などにも連絡をしてもらえます。
あまりコストをかけないでプライバシーも守れるいい方法だと思います。
※東京都港区
約20万人が暮らす港区は平成20年5月から「救急医療情報キット」を、希望する区民(高齢者と障害者)に無料で配布。キットは持病や服用薬、かかりつけ医、緊急連絡先を記入する用紙とプラスチック容器がセット。必要事項を書き込んだ用紙のほか、本人確認ができる写真や健康保険証の写しを容器に入れ、冷蔵庫に保管する。東京消防庁との連携で、玄関の内側にキットがあることを示すシールが張ってある場合、救急隊が冷蔵庫を明けて内容を確認する。反響は大きく、1年間で配布対象の約1割にあたる約3500人普及しているとのこと。
※北海道夕張市
65歳以上の高齢人口が全体の43%、独居高齢世帯も3割近い夕張市では、今年から、「救急情報医療キット-命のバトン」を500人の市民に試験的に導入。キットを手元に置く市民に実施したアンケートでも「安心して暮らせる」「1人暮らしなので心強い」など、96%が「必要だ」と回答している。
※日の出町
東京都日の出町でも民生児童委員が中心になって配布を開始し、約900世帯の冷蔵庫に保管。
導入窓口
1.自治体の福祉部(社会福祉協議会)
2.消防本部(警防・救急)
3.町内自治会
協賛事例
自治会、ライオンズクラブ、赤十字、青年会議所等が寄付を寄せている。
助成金
都道府県の包括補助金事業(東京都は本事業が指定され、事業費の1/2補助)
組織
消防本部と自治体が連携し、救急医療情報システム意義内容を共有する。
救急医療情報キットの詳細内訳
1.救急医療情報ボトル
2.ボトルの置き場所(冷蔵庫内)
3.冷蔵庫用マグネットシール 1枚(救急医療情報ボトルの存在場所表示するため)
4.ボトル側面及びボトルキャップに貼るシール2枚(その他のボトルとの差別化)
5.玄関内側ドアに貼るシール 1枚(救急隊員に救急医療情報システム導入を知らせる。)
ボトル内容
1.救急医療情報記載用紙(緊急連絡先、かかりつけ医、緊急時の対応方法など)
2.本人の写真 3.健康保険証の写し 4.診察券写し 5.お薬手帳等
救急医療情報記載用紙の内容を定める。
導入窓口が中心となり、消防本部、病院等、住民(民生委員・自治体議員)と相談し記載用紙内容を取り決める。
記載用紙記入及び更新
原則は、本人と病院医師で記載する。本人が記載できない場合は、家族又は、地域の民生委員。記載用紙内容の更新は、3ヶ月1回年4回記載用紙を配布する。但し、年2回、年1回と地域によって異なっている。高齢者は病状が変化するので、日付を記入し病歴経過を随時書き加える方法を採用している自治体もある。記載用紙の内容は個人情報である。取扱の約束事とし、救急隊員及び、医師が必要とした場合に使用する認諾を本人から得ておく必要がある。
又、本キットの保持者であることがわかっている場合でもキッドを使用しない場合、かかりつけ医療機関に必ずしも搬送するものでないこと、救急隊員への伝言についても実行できるとは限らない等々配慮が必要である。
大田区の雪谷地区では、各町会長が集まり地域への導入方針で総意を固めた。消防署も関係することから大田区の雪谷出張所に相談し連携が得られた。消防署の所轄は一様定まっているが、緊急出動で所轄外の救急車が配車される事はよくありそれゆえ消防庁との連携を所轄消防署に取ってもらう必要がある。
以上、述べたようなシステムで至って単純シンプルなものである。
雪谷地区に於いては、誰にでも賛同される普及方法とし、年間町会費の1/12詰まり1か月分の費用で各家庭に配布することを目標として掲げ、雪谷出張所に相談を持ちかけた結果、地元で企画・研究・開発を事業とし、大田区内の加工業者を熟知している弊社が「救急医療情報キット」を製作する事で設計のスタートが切られた。
製作チームの構成は、企画設計をする弊社をチームリーダーとし、金型製作所、プラスチックブロー成型工場、印刷工場の四社で製作された。作業開始から1ヶ月で「救急医療情報キット」は雪谷ブランドとして大田区内で誕生した。
次にプラスチック容器のシール貼り作業が問題になったが、上池台福祉作業所施設に持ち込み、シール貼り・梱包作業をお願いし、無事地域の8000軒各家庭に対し出荷配布された。この話が波及し、大田区全域での動きが始まっており、産官民が一体としての大きな取り組みとなっている。
導入後の効果事例
導入後15日目に雪谷地域のご家族から救急医療情報キットのおかげで母親の命が助かりましたとのお礼状が届きました。心筋梗塞の持病をもたれた母親だそうです。又、田園調布地域からも配布実施後2ヶ月目に、父親が助かった旨の連絡を戴き感謝されました。
このように、効果の集計を取るには救急隊員からの利用報告結果が得られるよう、主催組織は消防本部と病院との聞き取り調査を毎月行うことが大切である。これらを実施することにより、システムは改善されて行き、より地域に見合った完成度の高いシステムとなります。このような状況を踏まえ、大田区に於いては、外出中の高齢者及び子供等への安心・安全を守る方法として【ミマーモ】(見守りネットワーク)が誕生している。