弊社では、使用される光感受性物質を提供下されば、調査し、吸収波長に合わせるため、半導体レーザ製造材料の3種GaInN(400~530nm),AIGaInP(635~690nm),AIGaAs(700~850nm)からそれぞれ得られる波長を選択し光感受性物質に見合った光源とし幅広い波長に対応し、製作出荷いたします。
PDDとは、光線力学的診断方(photodynamic diagnosis:PDD)の事を表現します。術中蛍光診断(アミノレブリン酸・ALA・による可視化)つまり光の適合波長を利用し、癌のブイ位置を特定出来る様、蛍光反射変色を起こさせ目視診断を可能とする方法。
・40年くらい前から臨床応用がされていて新しいものではありません
・グリオーマをできるだけ多く摘出するために開発された方法です
・グリオーマを治す力はありません
・アミノレブリン酸 ALA はグリオーマ腫瘍細胞に取り込まれて,正常の脳
の細胞には取り込まれないという性質を利用します
・アミノレブリン酸は体内でプロトポルフィリンIX (PPIX) に変化して腫瘍
細胞に蓄積します
・ PPIXのたまっている腫瘍細胞に,青色光線 400-410nm をあてると赤
色蛍光を発します(見えにくい悪性腫瘍の可視化といいます)
・手術前に患者さんにアミノレブリン酸を投与して,手術中に赤く光って
いる部分(グリオーマ細胞)を摘出すれば腫瘍が確実にとれるというもく
ろみです
・悪性度の高いものでは,燃えている木炭のように赤く蛍光発色します
・そのような部分は手術顕微鏡で見ても明らかに悪性グリオーマと判別で
きます
・実際は,淡く赤く光るだけで,正常組織との境界がはっきり見えるわけ
ではありません
・もともとグリオーマ細胞は正常脳組織の中にしみ込む様に入り込むで,
実際には赤く光っていたとしても,どこまで摘出してよいものか区別がつ
かないことが多いです
・手術中に蛍光でぼんやり光るとことを摘出するかどうか迷います
・結論的に,とても役に立つとは言えませんが,澤村も実際には使用して
います
・経験の浅い術者ほどグリオーマの境界がわからないという不安もあり,赤
く光ると腫瘍だけがはっきり見えるようで術者はなんとなく安心します,
これが使用される最大の理由
使用方法
· 日本でも保険診療で使用できます
· アラベルやアラグリオというお薬 (20mg/kg) を,摘出手術の2-4時間前に服用
してから手術室に行きます
· 体重50kgの患者さんで1gです
· 光に対しての皮膚炎,日焼けが副作用ですから,患者さんのいる部屋の電気を消
して暗くします
· 手術中に特殊な光を当てなければならないのですが,この装置を持っている脳外
科病院は少ないです
· 手術後も患者さんの周囲を遮光します
· 他の副作用は悪寒,悪心,嘔吐,発熱,肝機能異常などですが,重篤なものはほ
とんどありません
· 2017年6月、米国FDA(Food and Drug Administration)アメリカ食品医薬品
局がグレードⅢグレードⅣの高悪性度グローマを疑った場合に、手術で使用する事
を承認しました
PDDグリオーマの可視化に関する大規模研究
FDAの公式ページに書かれています。手術前にグレードⅢあるいはグレードⅣのグリオーマと予測診断された,349人の患者さんが対象の無作為試験です。Percentage of patients who had “completeness” of resection was 64% in the ALA arm and 38% in the control arm, with the difference of 26% (95% CI: 16%, 36%).と記載されいてます。ALAを投与すれば64%の患者さんで十分な摘出ができるけれど,ALAを投与しない顕微鏡下手術では38%でした。
「解説」このcompletenessというのは耳慣れない用語です。使用した方がより多くの悪性グリオーマが摘出できるという結論なのですが,それが患者さん全体の生命予後の改善と機能予後の保持に有用なのかどうかはまた別問題です。グリオーマの手術にとても慣れている脳外科医が執刀すると,ALAを使用しても使用しなくてもあまり大きな差が出ないとも言えます。日本ではALAを使用していない施設のほうが多いのですが,慣れていない術者は使用した方がいいのでしょう。
注)ALAとは、
ALAとは5-Amino Levulinic Acid (5-アミノレブリン酸)の略称です。 36億年前、地球上に生命が誕生したときにもALAが関わっていたと考えられ、 生命の根源物質とも言われています。根源物質だからこそ、 ALAは今でも植物から動物までの広い種に存在して、生命維持のための重要な役割を担っているのです。
ALAは、植物においては、光合成を行うために必要な葉緑素(クロロフィル)の、ヒトや動物においては、赤血球のヘモグロビンの生合成のための原料であります。加えて、細胞内のミトコンドリアにおけるエネルギー生産を支えています。 ALAは、私たちが普段口にしている食品にも含まれており、日頃からALAを摂取しています。なかでも、赤ワインやかいわれ大根、お茶、お酢等の食品に多く含まれています。
大規模臨床研究
Stummer W, et al. Fluorescence-guided surgery with 5-aminolevulinic acid for re-section of malignant glioma: a randomized controlled multicentre phase III trial. Lancet Oncol. 2006
悪性神経膠腫の手術で,ALAを用いるとガドリニウム増強される腫瘍部分の完全摘出が65%で可能となり,使用しない36%より摘出割合が上がりました。しかし,患者さんの生存期間には変わりはありませんでした。
ALAの臨床研究
Pichlmeier U, et al. ALA Glioma Study Group: Resection and survival in glioblastoma multiforme: an RTOG recursive partitioning analysis of ALA study patients. Neuro Oncol. 10:1025-1034, 2008
ヨーロッパで243人の膠芽腫の患者さんにこの治療方法が試されました。結果的に,アミノレブリン酸で可視化を行なって手術しても,そうしなくても生存割合に差はありませんでした。この研究の後で臨床応用は下火になりました。以下の様に光ます(澤村 豊ブログより引用)
光線力学療法
PDTとは、光線力学的治療法(photodynamic therapy:PDT)の事を表現します。癌に集積性を示す光感受性物質とレーザー光照射による光化学反応を利用した局所的治療法である。PDTは従来のレーザーによる光凝固や蒸散などの物理的破壊作用とは異なり、低いエネルギーで選択的にがん病巣を治療可能であり、正常組織への障害が非常に少ない低侵襲な治療法である。
· 原理はALAによる可視化とおなじです
· 日本では,タラポルフィンナトリウム(レザフィリン)という薬剤が原発性悪性
脳腫瘍の保険診療で使用できます
· 光感受性物質がグリオーマ細胞に取り込まれたところで,レーザ光を当てると腫
瘍細胞が死滅するという原理を応用しています
· レザフィリンを22から26時間前に静脈内投与 (40mgm2) しておいて,手術中
に腫瘍摘出をした部位にレーザ光 (波長664nm,照射パワー密度
150mW/cm2,照射エネルギー密度27J/cm2) を当てます
· 限られた施設の少数例報告で有効とされるのみです,研究段階の治療法です
· これで延命効果(全生存期間の延長)が得られるという確実な証拠となる臨床研
究(科学的根拠)はありません
· 理論上の有効性にとどまる治療法ですから,標準治療では用いません
· 最大の障害は,1980年代後半(25年くらい前)になされた研究にけりがついて
いないことです
· 「脳腫瘍の細胞だけに光感受性物質が治療に有効な十分量が取り込まれている
か」ということで,これがそもそも解っていませんから,理論的根拠の根幹がな
いのです
· またグリオーマは脳の深い所に浸潤しますが,そこまでレーザがとどかないとい
う致命的な欠点があります
PDTとは、光線力学的治療法(photodynamic therapy:PDT)の事を表現します。癌に集積性を示す光感受性物質とレーザー光照射による光化学反応を利用した局所的治療法である。PDTは従来のレーザーによる光凝固や蒸散などの物理的破壊作用とは異なり、低いエネルギーで選択的にがん病巣を治療可能であり、正常組織への障害が非常に少ない低侵襲な治療法である。
PIT:(Photoimmunotherapy)とは 光免疫療法の事を表します。
光免疫LD光源
JIS T 0601-1-1, UL規格, CSA規格に準拠したLD光源設計受託